入所後の変化

破壊行為
改善された最大の出来事
我慢することを自覚できるようになった
入所前は、病院や他施設で職員、利用者に拘わらず多頻度による破壊や他害を繰り返していた。当施設の入所中も当職員や他利用者に同様な行為をしてしまう。「なぜ破壊や他害行為をしてしまうのか?」を繰り返し訊ねる中で、イライラする真因(本質の原因・要因)を職員と傾聴しながら共感し寄り添った支援を実施。今までは中々想いを吐露できなかったが、職員と想いを共感する中で、不穏になる回数が減り、しかも破壊や他害の回数は大幅に減少した。

自閉症
改善された最大の出来事
自分の想いを職員にしっかり伝えられるようになった
入所前は両親への他害行為が頻出しており、自宅以外での生活を安定し過ごすことが両親の希望であった。また、自ら想いを伝えることが苦手であり、施設内では行動停止が見られ、職員の質問にもオウム返しが日常であった。その中で、本人が「虫が好き」である情報を入手し、カブトムシを育てることを提案。カブトムシを育てることで、本人の生きがいや生活の楽しみを見出すことに成功し、表情が明るくなり笑顔が増えていった。オウム返しが中心となっていた言動も自らの希望や要望を伝えられる喜びを職員と分かち合った。

他害行為
改善された最大の出来事
繰り返しの他害から心が安定をするようになった
入所当初より水に対する拘りが強く、その拘りについて注意を促したところ、コップを投げたり注意した職員に他害をする行動が頻繁にあった。しかし、職員による声掛けの言葉を変えてみたり、声の強弱を変える等の試行錯誤を重ねる中で、徐々に「他害は悪いことだ」との認識を持ち始める。また、職員との対話によって距離感が縮まり、職員の声掛けに対して安心して行動をとることができるようになり、他害行為の減少に合わせて、職員の手伝いや散歩、排泄も自らできるように成果の定着がみられた。

昼夜逆転
改善された最大の出来事
部屋に籠りきりの生活から共同スペースで過ごすようになった
入所してから1週間は部屋で籠りきりで食事、排泄、入浴以外は一切居室から出ることはなかった。そのため、日中は居室で長時間寝て過ごしており、不健康な生活を過ごしていた。その後、職員が1時間に1回、居室に散歩や体操の誘い等の声掛けを増やすことに専念する。少しずつ居室から食堂に来る回数が増え、職員と体操したり時間通りに食事の時間を迎えられるようになった。日々、日常生活のリズムを整えることが、成果として表れ、また笑顔で楽しそうに暮らす姿がみられた。

強迫性障害
改善された最大の出来事
集団の中でも少しずつ他者との関わりになれるようになった
入所当初は、集団生活にすぐに馴染むことができず他利用者の声に恐怖を感じたり、他利用者の失禁や嘔吐による場面に遭遇するとパニックになる状態が続いていた。また、新たに入所した利用者さんの障害特性について確認行為もあった。その中で、対話によって、本人が何を望んでいるかを職員が寄り添いながら質問を実施した。利用者目線の対話によって不安を緩和しながら、可視化カードを活用して利用者の想いを共感することで、本人の「自立できた」達成感と満足感に繋げる行動変容を促すことができた。

食事
改善された最大の出来事
野菜が食べられるようになった(苦手なもの克服)
自宅では野菜が一切食べれないとのことでした。そのため、入所当時は野菜を残すことが多かったです。しかし、毎回の食事で野菜が美味しいことや体にとって大事なことを反復して伝えることを実施。今では野菜を最初に食べることを進んでされています。

コミュニケーション
改善された最大の出来事
自ら笑顔で接し話すことができるようになった
入所当時は玄関から先に進むことが困難で人見知りなのか人目を避ける傾向性があり慣れるまで時間を要しましたが、入所を繰り返す中、職員が対話も重ねてゆくことで笑顔も増え、本人が規則正しい生活を送ることが出来るようになりました。

排泄
改善された最大の出来事
集団の中でも少しずつ他者との関わりになれるようになった
入所当初は、日中・夜間に拘わらず、ほぼ毎日失禁が続いており、家族との外出の際も排泄のコントロールが上手にできず失禁が続いていた。家族から頻発する失禁に対しての相談を受けており、まずは排泄の頻度や時間帯について情報収集を図った。しかし、中々改善の兆しが見えていなかったため、提携医とも協議の上日常的な運動を取り入れることにした。以降、毎日の散歩や下半身の簡単なエクササイズを実施。日々の運動の効果によって、失禁は大幅な減少傾向となり、現在では失禁はほとんどみられていない。